帰り際、城之内が遊戯にもう一人の遊戯への伝言を頼んだ。頼まなくても伝わっているのだが。一言、『ありがとう』と……。
『ねぇ、城之内君と何があったのさ?』
自分の中に居るもう一つの人格に話し掛ける。最近はだいぶ慣れたので、闇遊戯に話掛けていてもブツブツと独り言が漏れる事は無くなった。
(昨日、一緒に星を見ていただけだ……)
昨晩の出来事を思い出しながら、話しても差障りのないであろう辺りだけを抜粋して話す。
「え!?」
遊戯は思わず声を上げてしまい、咄嗟に周りを伺う。特に誰も居なかったので、胸を撫で下ろす。
『城之内君と、一緒に!? 星を見てただって!!』
心の中で闇遊戯の胸倉に掴み掛かる。
『何でボクを起こしてくれなかったんだよ!! そんな美味しいシチュエーション、ボクならみすみす逃すような真似は!!!! ……はッ! まさか、ウッカリ頂いちゃったりしてんじゃないだろうね? もう一人のボク!?』
ちょっとは頂いちゃったかも知れないが……、暗黒のオーラを纏った遊戯にそんなコトが言えるワケもなく。その辺りがハッキリしない所為で、遊戯は暴走と妄想の狭間を反復横飛びの勢いである。
(あ、相棒……?)
『クッ、キミがそんな奴だったなんて……』
(お、オイ……)
もはや遊戯は聞く耳を持っていない。キラーンと殺意も感じる視線で闇遊戯を見たかと思うと、次の瞬間には何時もの笑顔に戻っていた。
『次、そんな美味しいシチュエーション、黙ってたら……パズル砕くからね?』
もしかしたら海馬以上に危険な人物なのかも知れない、と闇遊戯ははじめて遊戯の人格を疑うのであった。
可愛い表ちゃん好き~☆な方に喧嘩売りなSS。
ま、ウチに出入りしてる人で表ちゃん至上主義な方はいないと思うので。
こう言うノリでもOKっすかね?